正官(せいかん)
「正官」は日干(比肩)を尅し、日干とは陰陽を異にする天干星(変通星)で、権力、真面目、身分の発展、官位、理性、結婚、入学、選挙等を意味します。男性では子供の意味を持つ星ですので、四柱上に正官が有る男性は男子に恵まれることが多くなります。
吉凶の割合
男性の場合は吉面:80~90%位 凶面:10~20%位
女命の場合は吉面:50~60%位 凶面:40~50%位
正官は唯一の男性の吉数です。同じ官星でも正官は偏官より、もっとおとなしい星で、主導力があり、自ら正義感と信頼性の高さを感じる良い星です。義理人情も強く、人間的な温かさを持ち、部下の人々に対しても、うまく指導していける人物となります。偏官星より真面目な星です。金銭の執着はあまり強くありません。性格も淡泊で、細心の注意をもって事に臨むので、失敗はありません。多くはサラリーマン、そして高級官僚など、高官に上る方が多い。偏官の人よりも出世が早いことが多いです。堅実な人生を生きていきます。頭が良い人が多いです。
偏官は社会の規範から飛び出す力を持っていますが、正官は良い意味でも悪い意味でも世間体を気にする場合が多いようです。従って事勿れ主義となる場合が多いものです。
欠点が有るとすれば、世間体を気にしプライドが高いので保身が強い面があります。何事も損をしてまでしない冷たさがあります。
職業は公務員、官僚、堅実な企業のサラリーマン、管理職、銀行員、マネージャー、基本的には組織の中で活動する仕事。ホワイトカラー、お役人タイプ。
「正官」の属する五行から見た職業分野は、「木」の正官(日干が戊己)→行政機関。「火」の正官(日干が庚辛)→教育・文化・芸術分野。「土」の正官(日干が戊己)→農林・土木・建築分野。「金」の正官(日干が甲乙)→経済・金融・財政分野。「水」の正官(日干が丙丁)→商業・工業分野等に。
正官は、四柱に正官が二つ並ぶ場合は、偏官星と同じ作用を起こします。また正宮星と偏官星が並ぶ場合も、偏官星と同じ働きになってしまいます。従って正官は紳士的ですが、偏官化すると少しガラが悪くなります。わが流派では官殺といいます。官星が五行が太過する場合は、干合、支合、三局して、印綬星、偏印星、食神星があるか、大運、流年にその地支が強い場合は、強い官星を中和できます。男性も女性も官星が太過すると、いろいろな問題で苦労が多いものです。